冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~
それから、リューリがアシュレのいない間に進めようとしていた
部屋の模様替えはアシュレの先導のもとおこなわれて。
リューリのくつろぐ部屋の隅に、アシュレの第二の執務机が
運び込まれた。
リューリはため息をついたが、アシュレはにこにこ顔だ。
イーノックは完全に”呆れた”という顔だった。
「子供が生まれたら、今度はベビーベッドの横に執務机を
置くんだろうな、、、。」
イーノックの口からため息とともに呟きがもれた。
そして次の年の春、リューリは美しい王子を生んだ。
およそ十ヶ月前に広くひらかれたパズラーン運河の交易は広がり
オニギスとクルセルト両国の結びつきはさらに強くなった。
そして若き皇帝と皇妃の間には、二つの祖国の血をあわせた
幼き王子がいる。
政略により出逢った二人は、今二つの祖国を結び、
そして二人も、これ以上はないもので結ばれている。
、、、、それは、、”愛”と 呼ばれるもの、、、、。
**** Fin ****