冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~
さっきから、熱でもあるみたいに頭がぼーっとする。
これから起こることを考えると、
頭のもやもやがひどくなるような気がした。
(皇帝陛下はここに来るのかしら、、、でも、私との間に
世継ぎはつくる必要がないと仰られた、、、)
先に横になって休みたかったが、そんなわけにはいくまい。
仕方なく、壁にそっておかれた椅子のひとつに座り
リューリは俯いた。
眠ってはいけないと思うが、瞼が重くさがってくる。
夢とうつつの間を行ったり来たりしながら、リューリは子守唄を
聞いていた。
懐かしい、、、声、、、、。
歌っているのは母で、自分はまだ幼い子供だ。
暖かく、お日様の匂いのする掛け布団にくるまって、背中を
とんとんとたたいてもらっている。
母の手の温もりにつつまれて、心地よく眠りについていたあの頃。
あの頃のように、すべてを委ねて、このまま心地よい眠りの中に
落ちていきたい、、、、