冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

  (絶対、笑っていたわ。
   隠さなくても大笑いぐらい普通にしたらいいのに)


 そういえば、にこやかに笑んでいるのは見たことがあるが
 それ以外はほとんど無表情だ。

 笑んでいるのだって、本当に笑っているのではない。



 アシュレのとなりに身を横たえながら、
 リューリはアシュレの背中をみた。


  (アシュレ様の笑みは、人の心を引きつけるわ。
   それが、本当に心からのものであればより良いのに)


 そんなことをぼんやりと考える。

 でも、考え事ができたのはそこまでで、

 リューリは深い眠りの中に引き込まれていった。
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