冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~
(3)
皇妃になったとはいえ、ほんの一ヶ月前にこの国に
やってきたリューリには、国のことも王宮の中のことも
わからないことだらけだった。
よって、遅ればせながらお妃教育がはじまった。
この国の歴史にはじまり、慣習や法律、王宮内でのマナー
から、貴族、王族間の交流関係まで、、、。
午前と午後にみっちり三時間ずつ。
その後、午後三時ごろには、貴族の婦人達がお茶会にやってくる。
その相手をしなければならない。
夕食をアシュレと一緒にとり、やっと自由時間となるが
アシュレはすぐ、政務に戻ってしまう。
しばらく、アシュレがもどってくるのを待つものの、
疲れて眠ってしまい、朝を迎える。
それがリューリの日常になりつつあった。
あの夜会の日に無理矢理、体を求められそうになった他は
アシュレは一切、リューリに触れてこない。
最初のうちこそ、生活に慣れるのに精一杯で、
アシュレのことも、自分のことも気に留めることのなかったリューリだが
クルセルト国での生活も四ヶ月を迎える頃には、
少しだけ何かを変えたいと思っていた。