冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

 二人分のお茶を控えていた女官に申し付け、アシュレはくるりと
 リューリの方をむくと、口をひらいた。



   「で、いったい何をしていたのか。」



 怒っている風には見えないし、いつもの冷たい目ではなかったけれど
 その声は咎める口調に聞こえた。

 リューリは肩をすぼめ、俯く。



   「そ、それは、、、。」

   「それは?」

   「鳥のヒナが落ちていまして、、、。」

   「は?」



 アシュレは目を見開いた。



   「それで、巣に帰してあげようと思いまして、、、。」

   「だから、はしごに登っていたと。」

   「は、はい。」



 呆れたようなため息がきこえ、リューリはますます肩をすぼめた。



   「とんだ、皇妃もあったものだ。」

   「....................。」



 何とも気まずい沈黙が、二人の間に降りてきたところで、
 女官がお茶を持って入ってきた。
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