冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

 そのうち、外が騒がしくなってきた。

 屋敷の敷地内に逃げ込んだ賊を追っているらしい。

 従者として連れてきていた、イーノックの手の内の者が
 慌てて部屋に入ってくると、リューリに耳打ちをした。



   「追っての者が、屋敷内に血痕を見つけたようで、アッカースン
    侯爵とともに、部屋を調べまわっています。

    こちらにもすぐくるかと、、、。」



 部屋の絨毯にも、血の染みがついているし、リューリのドレス
 にも血がついている。

 イーノックに着替えさせるのが精一杯で、自分は着替えている
 時間はない。



   「わかりました。」



 リューリは唇をかみしめた。
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