冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~
部屋を調べ終えた、アッカースン候は、苦虫を噛み潰したような
顔で、リューリに向かい合っていた。
(状況証拠は、この部屋が怪しいと知らせている。だが、しかし、
一国の皇妃だぞ。もし、本当に賊がいたとして、なぜ庇う
必要がある?)
アッカースンは、わざと咳払いをすると言った。
「リューリイム様。この血の付いたガーゼと床の絨毯の血は
なんでしょうかな? それに、、、リューリ様のお召し物にも
血のようなものが付いておりますが、、、。」
リューリの顔色が変わった。