冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

 アッカースンはごくりと唾を飲み込んだ。


  (やはり、皇妃は何か知っているのか?)


 俯いていたリューリが、ぽつんと呟くように言った。



   「バレてしまっては、仕方がないですわね。」

   「リューリイム様!まさか!」



 アッカースン候は、体をぷるぷると震わせる。



   「隠し立てはよくないわね。正直にお話します。」



 リューリはしゅんと肩を竦ませると、話しはじめた。



   「実は、私、どうしてもワインが飲みたくなって、
    はしたないと思ったのですが、地下のワインセラーへ
    忍んで行ったのです。

    そこで、手を滑らせて、ビンを一本割ってしまって。
    その時に怪我をしてしまいましたの。

    慌てて、部屋に戻って、持ってきていた救急セットで
    自分で手当をしました。

    その時、絨毯にもドレスにも血の染みをつけてしまって、、。」



 リューリの話しを聞いて、アッカースン候は、すぐに地下の
 ワインセラーに人をやって調べさせた。

 ワインセラーには、溢れたものをふきとった跡があり、
 奥から、われたビンも見つかった。
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