冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~
『リューリ様は、特に体の不調など言われませんが、、
そのう、、、。」
エルダが何か探るような目で、リューリをみる。
言いかけて、はっきりいわないエルダの態度に、
リューリは顔が熱くなり、早口で答えた。
「陛下はお忙しい方だから、、、。」
「さようでございますが、、、もう少し、お二人の
時間をふやされても、、、。」
エルダの言葉をみなまで聞いてられずに、紅い顔のままリューリ
は立ち上がると
「書籍室で、探したい本があったから。」
と言い、すぐ扉にむかう。
「あ、わたくしもご一緒に、、、。」
「いいの、一人でいきたいから。」
エルダの話が本当だとしたら、クルセルトの貴族達は世継ぎの
誕生を期待しているのだ。
リューリは、早足で歩きながら、考えた。
(たしかにそれは、当たり前だ、私達は結婚しているのだから)