冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

  アシュレもまた、こんなに大勢をひきつれた遠乗りにうんざりしていた。


  
  (王子のころはよく城をぬけだして、共などつけず
   ひとりで馬を走らせたものだったのに、、)



 不満を胸にたたみ込み、ちらりと斜め後ろをいくリューリを見やる。


  (女だてらに、なかなかりっぱな乗馬姿だった。
   あれだけ駆けさせたのに、遅れずついてきていた。)


 
 アシュレは以前リューリがはしごに登っていたことを思い出した。

 その時も一体全体どんな妃だと呆れはしたが、リューリのしたことに
 不快感はなかった。

 今日もそうだ。
 
 彼女が自分の予想を簡単に覆すことに不快感はない。

 むしろ新鮮なおどろきがある。
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