冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

   「バーロット卿、他、皆様がお着きです。」



 遅れていたゲストの到着を知らされ、アシュレはさっと手を
 もとにもどした。

 離れていくアシュレの手を目で追いかけながらも、リューリもまた
 手をひく。


 二人は立ち上がって、玉座をおりた。



   「バーロットでございます、陛下。お久しゅうございます。」



 数人の貴族達が、臣下の礼をとって膝をついていたが、
 一番前に跪いていた古い軍服をきた老人が前にすすみでた。

 老人のすぐ側には、かわいらしい貴族の令嬢がひかえている。

 老人はアシュレと二、三の昔話を交わし、おもむろに横にいる
 令嬢の方をみやると言った。



   「この者は、私が後見人をしております、ミカイラ=アストン嬢で
    ございます。以後、お見知りおき下さい。」



 ミカイラとよばれた令嬢は、前に進み出ると、アシュレにむかって
 丁寧にお辞儀をする。



   「楽しんでいかれよ。」



 アシュレが微笑み、そう声をかけると娘はぽっと頬を赤くした。



 その次に進みでた老人も、若く美しい令嬢をともなっていた。
 
 おなじような言葉のやりとりがあり、下がっていく。


 そしてその次もまた、、、。
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