完璧男子の憂鬱。
父さんと母さんは戸惑っていたけど、
俺が決めたことならと許してくれた。
ここからが本当の勝負なんだ。
……と、思っていたのに。
あいつが公立中学へ行くことが判明した。
なんでだ?!
私立の中学の方が頭が良いのに!
…って、思ったけど、
よく考えたら俺の行く私立は
金持ちが行く裕福な学校だから
母子家庭のあいつはそんなとこ
行こうと思わないだろうと気づいた。
…じゃあ、あいつとは離れ離れか。
そう思うと、
なぜか、
無性に寂しくて。
「…相沢。」
俺はあいつを放課後呼び止めた。
「お前、公立の中学行くらしいな。」
「うん、そうだけど…?」
「俺、私立なんだ。…だから、もう少しで……」
まぁ、俺がいても居なくても
こいつには関係ないんだろうな。
あーぁ、結局、こいつに勝てないまま
終わっていくのかよ。
…気にくわねぇ!
何一つ勝てた気がしない。
こんな話をしてても、顔色一つ変えねーし。
「…そっか、じゃあ、寂しくなるね。」
……え?