完璧男子の憂鬱。
と、無意識に相沢の髪に手を伸ばしたそのとき。
「……久柳…?」
バッ!!!
と、反射的に手を引っ込めた。
あぶねぇ、あぶねぇ、あっぶねぇ!
なんでこいつの髪なんか触ってんだよ俺は!!!!
相沢が目を覚ました途端に
俺の心臓の鼓動は最高潮。
「…なにしてんの?」
と聞いてくる相沢は
まだどこか眠たそうにしている。
「お、俺はこの席が気に入って、ここで勉強しようとしてたんだよ!それなのにお前が寝てるから…!!」
動揺で頭は働かないし
身体中から変な汗が噴き出てくる。
なんだこれ、なんでこんな焦ってんだ?!
「……そう。でも私が先客なんだし、譲らないから。」
……相変わらず愛想の無い返事だな。
と思っていると、不意にあの言葉が思い出された。
"メガネって何かエロいよな。"
………なにが、エロいだ。
その言葉が頭の中を巡った瞬間、
俺の手は自然と相沢のメガネに伸びていた。