完璧男子の憂鬱。
そうこう思っているうちに、時刻は夜の9時を回っていた。
相変わらず、母と久柳は楽しそうに話している。
「…久柳、そろそろ帰ったら。」
「あぁ、もうこんな時間か。」
晴美さんと話すのがつい楽しくて!、などとサラッと言っている辺り、こいつも相当 母のことを気に入っていると見える。
(それにしても私との扱いに差がありすぎる)
「……それじゃ、晴美さん、また来ますね♪」
「うん、いつでも来てね〜!」
ササッと帰る準備を始める久柳。
(というか、また家に来る気なんだ)
「……あ、相沢。メシとケーキ、美味かった。またな。」
と、足早に帰っていった。
(やはり母と私では扱いに大きな差があるところは気に食わない)
「あ〜、楽しかった!!凛子も準備とか、色々ありがとうね。」
でも、こんな風に嬉しそうに笑う母を見ていると、
やっぱり久柳はいい奴なのかもしれないと思った。
End.