完璧男子の憂鬱。
あいつへの想い
20歳の夜。
現在、俺と相沢は大学2年。
同じ大学の 同じ法学部に通っている。
…あの日。
高校に入学したあの日から、
俺の高校生活は苦難の日々だった。
俺の相沢への想いが
ライバルに対する気持ちでは
ないかもしれないと思ったあの日。
俺は自分の気持ちを否定し続けた。
……だって、あの女だぞ?!
地味で、貧相で、暗くて、友達もいない。
まるで俺とは正反対。
まさか、この俺が
こんな女を好きになるとは
思いもしないだろ、普通。
…でも、あいつを目の前にすると
どうも気持ちが舞い上がって
いつもの様な爽やかさでは居られなくて。
そうやって悩み続けて、
結局自分の気持ちに気づくのに
数年もかかってしまった。
……そして、今、
20歳の夜、
俺は相沢を呼び出し、
2人でディナーの真っ最中。