完璧男子の憂鬱。




「…で、名前なんだっけ?同じクラスって事は分かるんだけど、まだ全員の名前覚えれてなくて。」





……は?




俺、こいつに結構つっかかってたよな?



いや、それ以前に女子は普通、
俺みたいなイケメンを覚えていない
はずがないのに。





…なんだよこいつ、俺を認識すらしてなかった。







「…久柳 悠。」



「久柳ね、覚えた。」






………悔しい。


俺ばっかりこいつを意識してるのが悔しい。





「勉強、教えるとか言ったけど、良く考えたら久柳って頭いいんだよね。」



…え、なんだ。



俺の事少しは覚えてるんじゃん!




…なんて、すこしホッとしてる俺がいる事に少し焦る。





……なんで嬉しいとか思ってんだ、俺!






「とっさに考えた理由だったから、そこまで頭が回らなかった。」




とっさ…?





こいつ今、とっさに考えたっつったよな?





……てことは、






おいおいおいおい、
こいつ、ひょっとして、




俺の事家に上げたかったんじゃね?!





なんだよ、なんだよ


こーんなぶっきらぼうな態度してっけど
本当は内心俺に興味津々なんじゃね?♪



やっぱ俺に惚れない女なんて
この世にいやしねーな!







< 8 / 43 >

この作品をシェア

pagetop