完璧男子の憂鬱。
「…で、名前なんだっけ?同じクラスって事は分かるんだけど、まだ全員の名前覚えれてなくて。」
……は?
俺、こいつに結構つっかかってたよな?
いや、それ以前に女子は普通、
俺みたいなイケメンを覚えていない
はずがないのに。
…なんだよこいつ、俺を認識すらしてなかった。
「…久柳 悠。」
「久柳ね、覚えた。」
………悔しい。
俺ばっかりこいつを意識してるのが悔しい。
「勉強、教えるとか言ったけど、良く考えたら久柳って頭いいんだよね。」
…え、なんだ。
俺の事少しは覚えてるんじゃん!
…なんて、すこしホッとしてる俺がいる事に少し焦る。
……なんで嬉しいとか思ってんだ、俺!
「とっさに考えた理由だったから、そこまで頭が回らなかった。」
とっさ…?
こいつ今、とっさに考えたっつったよな?
……てことは、
おいおいおいおい、
こいつ、ひょっとして、
俺の事家に上げたかったんじゃね?!
なんだよ、なんだよ
こーんなぶっきらぼうな態度してっけど
本当は内心俺に興味津々なんじゃね?♪
やっぱ俺に惚れない女なんて
この世にいやしねーな!