完璧男子の憂鬱。
「…じゃ、勉強っていうのはなしで、ごはん食べない?こんな時間だし、私作るから。」
なるほど、さっそく料理できますアピール作戦か?!
こいつも可愛いとこあるじゃん♪
「そろそろ、お母さんも帰ってくると思うし、座って待ってて。」
え?!
いきなり母親に紹介すんのかよ?!
……私の好きな人です、的な???
あれこれ思いつく限りの妄想を繰り広げ、ニヤニヤしながら俺はごはんが出来上がるのを待った。
「あ、お母さんかな。」
と、あいつが言ったと同時に
玄関のドアがガチャっと開いた。
「あれ、お客さん?」
「お母さん、おかえり。」
「は、初めまして!久柳悠です!!」
俺の胸の高鳴りは最高潮。
今までにないほど緊張して、
俺の体はカチコチ。
お、落ち着くんだ俺…。
「凛子のお友達?」
「うん、そうだよ。」
と、俺を友達だと即答されたことに
俺はまた嬉しさを感じた。
俺を認識すらしてなかったこいつの人生に少し関われた気がして。
「だから安心してっていったでしょ?ちゃんと友達も居るし、心配しないで。」