完璧男子の憂鬱。




「…じゃ、勉強っていうのはなしで、ごはん食べない?こんな時間だし、私作るから。」




なるほど、さっそく料理できますアピール作戦か?!



こいつも可愛いとこあるじゃん♪




「そろそろ、お母さんも帰ってくると思うし、座って待ってて。」





え?!

いきなり母親に紹介すんのかよ?!




……私の好きな人です、的な???





あれこれ思いつく限りの妄想を繰り広げ、ニヤニヤしながら俺はごはんが出来上がるのを待った。




「あ、お母さんかな。」




と、あいつが言ったと同時に
玄関のドアがガチャっと開いた。





「あれ、お客さん?」





「お母さん、おかえり。」





「は、初めまして!久柳悠です!!」



俺の胸の高鳴りは最高潮。



今までにないほど緊張して、


俺の体はカチコチ。




お、落ち着くんだ俺…。




「凛子のお友達?」



「うん、そうだよ。」




と、俺を友達だと即答されたことに

俺はまた嬉しさを感じた。



俺を認識すらしてなかったこいつの人生に少し関われた気がして。




「だから安心してっていったでしょ?ちゃんと友達も居るし、心配しないで。」


< 9 / 43 >

この作品をシェア

pagetop