キャラメルに恋して
「ひな……」
丁度、曲がり角に差し掛かった時私を呼ぶ声がした。
足元に落した視線を上げると、目の前にいるのは…………大好きだった先輩。
あの日以来、連絡もしなかったあの先輩……。
久しぶりに見た先輩は、心なしか痩せたみたい。
悲しそうに顔を歪ませているのは何で?
なんで今更……。
「雛、ちょっと話がしたいんだ」
私が今まで、見たこともないような真剣な顔の先輩。
話って何?
もう、関係ないでしょ?
そんな言葉が頭の中をグルグル回っているけど、なかなか口から出てこない。
やっと出た言葉は………
「先輩……」
その一言だけだった。