キャラメルに恋して
しばらくして、お兄さんは静かに体を離した。
赤く腫れた目が目に入る。
辛いはずなのに、お兄さんはそれでも笑って
「はい。これあげる」
ポケットから小さなキャラメルを取り出した。そして、意地悪そうにニヤリと笑って
言った。
「あーんして? 」
あーんって…………///
恥ずかしかったけど、お兄さんの前では、素直になれるみたいで、体が勝手に動いて
キャラメルを食べていた。
お兄さんのポケットに入っていたせいで、少し溶けて柔らかくなっていたキャラメル。
口の中に広がるキャラメルの味は、甘くて、少しほろ苦かった。