キャラメルに恋して
自分の心に、何度も何度も「落ち着いて」と呪文のようにとなえた。
だけど、そんなおまじないはきかなくて、心臓の音が大きくて、周りの音なんて、分からないほど。
でも、今言わなきゃいつ言うの?弱気な心に鞭を打ち、深呼吸をする。
大切に温めてきた気持ちは、明らかに大きくなっていた。
キャラメルを食べながら隼人を想った夜もあった。
涙した日もあった。
そんな日々とはさようなら。
この気持ちを言ってしまえば、もう友達ではいられない。
だけど、どうか……どうか……この気持ちを受け止めて。