キャラメルに恋して
「ほらっ…隼人くん困った顔してんじゃん。…かわいい」
「麻耶さん?」
「いやいや、冗談ですよ」
イケメン大好きな麻耶でさえ、こんなにメロメロになってるんだから……隼人はやっぱりイケメンだ。
「雛ちゃん、あいつが彼氏?」
突然、私の頭上に影がさしたかと思い、見上げてみると響くんの姿。
周りの目を配慮しているのか、小さな声でボソッと呟いた。
同じく、周りの目を気にしながらも「うん」と口ぱくで言った。
そういえば、昔……響くんに告白されたんだっけ?
今は普通に友達として接してるから、もう好きじゃないって事だよね。
そんな事を考えていると、私の横にもう響くんの姿はなくて
「俺、響っていうんだ」
「俺は、隼人です」
いつの間にか響くんは女子の軍団のなかに、一人で突っ込んでいっていて、隼人に自己紹介なんかをしていた。
何故か、二人で握手なんかして………首脳会議みたいになってる。
「きゃぁ…絵になるぅ」
響くんの一部に熱狂的なファンがいるらしく、その人たちも惚れ惚れして二人の姿を見ていた。