キャラメルに恋して
┣再会
私は、学校が終わるとお兄さんに出会ったあの場所に行った。
あの場所とはもちろん、あの海の事。
今日、なんだかお兄さんに会える気がしたの。
ザー・・・・・ザー・・・
優しい海の波音と共に、潮の香りが近づく。
そしてとうとう、私が涙を流したあの海へやってきた。
あの日と同じように、オレンジ色の夕日に照らされている綺麗な海岸。
人の居ない海岸には、ポツリと一つの黒い影。
逆光でよく見えないけど、それはお兄さんだと思った。
その影に、だんだん近づいていくうちにハッキリしてくる……一目でお兄さんだとキャラメル色の少し遊ばせた髪の毛。
あぁ……、やっぱりあのお兄さんだ。