キャラメルに恋して
二人の間に水をさすようにして聞こえてきた声。
隼人と私は、勢いよく体を離した。
声のした方をゆっくりと見る。
「はは~ん。私の事……忘れてたでしょ」
「わ、忘れてなんかないし…」
さっきまで机にうつ伏せになって寝ていたはずの麻耶が、こっちを見て呆れた顔をしていた。
この様子じゃ……、一部始終見られたとみる。
うきゃぁぁぁ…!あんな姿っ、見てたのーっ?
いくら友達でも、自分のあんな姿を見せるのには、少し……いや、かなり抵抗がある。
「まぁ……私の事は空気だとでも思って」
そんな意味深な発言をした麻耶。
気付けば、さっきみたいにうつ伏せになって寝ている。
空気だとでも思ってって……。
隼人とパチリと目が合った。
『…………………』
「何いってんのぉぉぉぉぉぉぉぉ~!?」