キャラメルに恋して
┣帰り道
毎日通いなれた帰り道。
だけど今日は、真っ暗で少し肌寒い。
所々にある街灯が、チカチカと音をたてながら点いたり消えたりを繰り返している。
「ふはぁぁぁぁぁ」
そんな街灯をチラッっと横目でみる。
「ひ、ひなっ………」
そして、私の腕に自分の腕を巻きつけている隼人に目をやった。
そう……。
忘れていたんだけど、隼人は暗い所が苦手。
っていうか、前に二人で遊園地に行ったときもそうだったような気がする。
さっきまで学校にいた私たちは、反対方向に家のある麻耶と別れ、二人で帰っていた。
最初の方は、車の通りや街灯が多い場所だったから、隼人はどうもなかったわけだけど
暗い細道に入った瞬間、一転………
「こわい…いや、怖くねぇ」
私に頼って歩いている。
怖いから……なんていって目を瞑っているものだから、隼人の体重がこっちにかかってきて
けっこう重い。