キャラメルに恋して
お兄さんを驚かそうと思い、静かに足を進めた。
「おにーさん。元気にしてた?」
勢いよく振り返ったお兄さんは、突然声をかけたせいかビックリした顔をしてる。
……ふふふ。
なんか、お兄さんが可愛く見える。
「お兄さん、覚えてる?フラれ仲間だよ!」
それまで怪訝そうな顔をしていたお兄さんは、そこでやっと思い出したみたいで
「あぁ!…あの時のっ」と声を上げた。
「あぁじゃないよ。忘れてたなんてヒドーイ」
そう言って膨らんで見せた。
「覚えてるよ…忘れるわけない。
あの時は、よく顔をよく見てなかったから。
こんな可愛い女の子だなんて思わなかったよ」
お兄さんは、何の恥じらいも無しにニッコリ笑った。
本当に、口が上手い……。
「またまたぁ、そんなお世辞言わないでよ」
本当、私本気にしちゃって………テレるじゃん。
「そんな事言って……顔赤いよ?」
お兄さんは、口元を押さえて笑いを堪えている…。
や、やっぱり!?
そう自覚した瞬間、さらに顔が熱くなるのがわかった。