キャラメルに恋して
「なんなのよー。まぁ……いる、けど」
「えぇ~!私の知ってる人?」
「う~ん。知らない人」
アスちゃんは、最近休みの日にオシャレして何処かへ出かけてたけど
それってこういう事だったんだね。
真っ赤に頬を染めているアスちゃんは、恋してますオーラ全開だった。
「…ってか、雛はどうなの?そんな事聞くってことは………」
熱くなった頬を冷やそうとしているのか、両手でパタパタと顔を扇ぎながら聞いてきた。
「うんっ……。この前」
姉妹でこんな話をするのって、やっぱりちょっと恥ずかしい。
「でねっ、男心が知りたいなっ……なんて」
「う~ん。それなら修史にでも聞いてみたら?」
アスちゃんの口から久しぶりに聞いたその名前に、体が反応して肩がビクッっと動いた。
修史さん………、久しぶりに聞いた名前。
「い、いやっいいよ。アスちゃんに聞きたいんだっ」
「ふ~ん」
これ以上、修史さんのことを思い出したくなくて、話を無理やりそらした。