キャラメルに恋して





「なんなのよー。まぁ……いる、けど」


「えぇ~!私の知ってる人?」


「う~ん。知らない人」



アスちゃんは、最近休みの日にオシャレして何処かへ出かけてたけど


それってこういう事だったんだね。


真っ赤に頬を染めているアスちゃんは、恋してますオーラ全開だった。



「…ってか、雛はどうなの?そんな事聞くってことは………」



熱くなった頬を冷やそうとしているのか、両手でパタパタと顔を扇ぎながら聞いてきた。



「うんっ……。この前」


姉妹でこんな話をするのって、やっぱりちょっと恥ずかしい。



「でねっ、男心が知りたいなっ……なんて」


「う~ん。それなら修史にでも聞いてみたら?」



アスちゃんの口から久しぶりに聞いたその名前に、体が反応して肩がビクッっと動いた。


修史さん………、久しぶりに聞いた名前。


「い、いやっいいよ。アスちゃんに聞きたいんだっ」


「ふ~ん」



これ以上、修史さんのことを思い出したくなくて、話を無理やりそらした。




< 273 / 358 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop