キャラメルに恋して
┣ライバル出現?
「ねぇねぇ隼人くんっ。隼人って呼んでいい?」
「………無理」
「え~」
浅木ひなは、朝から大変不機嫌である。
理由はもちろん1つ……………。
「隼人くん?」
「………ん」
隣の席の隼人。
だけど、今はその背中が凄く遠くにある。
そりゃそうだよね
「あの~、浅木さん……。退いてもらっていい?」
「あ゛ー………、なんか言った?」
「い、いや……ご、ごめんなさいっ」
だって今、違う人の席についてるんだもん。
「ちょっと雛、いくらイライラしてるっていったって、人にあたっちゃダメだよ
ほらぁ……田中怯えてる」
だって……だって。
朝からずっと、隼人の周りには女の子ばっかりで
隣にいたら、余計イライラしちゃうんだもん。
麻耶の顔を見ると呆れた顔をして、横でおろおろする田中を指差した。
真っ青になっている田中は、学校で1番気の弱い男の子。
レンズの奥の、丸い目からは戸惑いが感じられた。