キャラメルに恋して
「ねぇ……、浅木さん」
帰りの準備をしていた私の肩に、何かが触れた。
「………ん~?」
振り返った私の視界に入ってきたのは、真っ黒の髪の毛。
「え、えっ~っと」
見覚えがある顔だけど、何故か名前が出てこない。
という事は、違うクラスの子なのかな?
えっ……、でも何の用だろう?
「あのさっ、隼人くんの電話番号教えてくれない?」
あっ、そっちか。
「え、いやー…悪いけど本人に黙って教えられないよ」
まぁ……、隼人がいいって言っても教えないけどね。