キャラメルに恋して
この時、初めてよくお兄さんの顔を見た。
お兄さんは、昨日見たときよりも、数倍かっこよかった。
昨日は、涙がにじんでよく見えなかったんだ。
お兄さんは、今風の髪型……、スラッとした身長に、長い足。
誰もが憧れるイケメンとは、きっとこのお兄さんの事を言うんだろう。
そして、何より目を引かれたのは、私の大好きなキャラメルと同じ色をした綺麗な瞳と髪。
思わず引き込まれてしまいそう……、そう思ってお兄さんの顔をジッと見た。
「……俺の顔に何か付いてる?」
気付くとお兄さんは目の前に迫っていて………。
すっかりみとれてしまってたみたい…。
お兄さんにバレちゃったかなぁ?
そう思ってけど、お兄さんの様子は変わりない。
どうやら、気付いてはいないようだ。
「なぁ……、今思ったんだけどさ俺、君の名前知らないんだよね。
今さらだけど、名前なんて言うの?」
「ほっ本気だぁ!!今さらだけど、私の名前は雛です。浅木雛」
「へ〜。雛っていうんだ。俺は、如月 隼人(きさらぎ はやと)」