キャラメルに恋して
気付いていないことを祈りながらも、何を言ったらいいかわからなくて
電話口に耳を潜めていると
「……ククッ雛、まだお腹減ってんの?」
笑いのせいで震える隼人の声が届いた。
「な……っ、晩ご飯食べてないの!!」
急いで弁解するものの、笑いは止まらないらしい。
私……、隼人に大食いだと思われちゃったかも。
「はぁ~…俺もまだだし」
「え……っ、隼人晩ご飯遅いんだね」
「いやさ、ねぇちゃんがどっか行ってるから家に何もねぇーの。腹減ったぁ……」
「へ~、隼人っておねぇちゃん居たんだぁ。私もおねぇちゃん居るよ」
そういったとき、ふと泣いているアスちゃんの顔が脳裏に浮かんだ。