キャラメルに恋して
『おはよう、雛!!』
いつもと同じ、元気いっぱいなアスちゃんの声に思わず振り向いたけど、そこには何も無い。
ふとアスちゃんのことが気になり、部屋を覗いて見ると、真菜ちゃんと一緒にぐっすり寝ているみたい。
安心してリビング見戻りソファーに腰掛けると、なだ早朝だというにも関らず、玄関から鍵を開ける音がしてきた。
まさか………。
一瞬、頭の中を過ぎった人。
その人しかいないよね……、私とアスちゃん以外にこの家の鍵をもってる人は。
ソファーから飛び上がり、うるさい足音にも構わずに玄関へとダッシュすると
「あら雛…、早いのね」
仕事いきのスーツで身を固めたお母さんがのん気に呟いた。
「お、お母さんこそ……。なんで?」
「あら、失礼ね。ここの主はお母さんよ?帰っちゃいけないって言うの?」
「そんな事言ってないけど……」
変な子ね……なんて笑うお母さんに苦笑いすることしか出来ない。
なんたって今、帰ってきちゃうんだろう。
タイミング悪すぎ……。