キャラメルに恋して
隼人とは違ったタイプの男の人だった。
「お姉さん、誰か待ってんの?」
「え…あ、はい」
「俺さ、ドタキャンされちゃって……よかったら一緒に遊ばない?」
離れていた男の人の顔は、いつの間にか目の前にあった。
「ひ……っ」
ビックリして思わず反り返った私を面白そうに笑う男の人に、少しだけ警戒心が薄れた。
「友達待ってんの?俺もヒマやし、一緒遊ばない?」
「や……、私」
「んじゃ、俺の友達呼ぶからさ」
「いや、私……彼氏と待ち合わせしてるんです」
「え…彼氏いたの?まぁ、いいじゃん」
それでも強引に話を進めて行こうとする男の人。
ど……どうしよう。
取り返しのつかない事になりそうな予感がしてきて、私の不安が積もっていく。
誰か……隼人、助けて!
そう願った瞬間、突然体が強い力で引っ張られて、ふんわりと包まれた。
「俺の彼女に、なんか用ですか?」
少し上から、甘い息が私の耳を掠める。
「隼人――…」
安心感から、ため息にも似た声が出た。