キャラメルに恋して
「んじゃ、そろそろ帰ろっか」
隼人にそういわれて、店の外に目をやると外は薄暗くなっていた。
帰りたくない……
そんな事、恥ずかしくて言えるわけも無くて
「……うん」
精一杯の訴えで、少し間を置いてから頷いた。
「今日は楽しかったね~」
「そうだな~」
隼人と肩を並べて歩く道。
楽しかった1日をふり返りながら、ちょっと寂しい気持ちになった。
隼人の話も右から左へ……
こうやって、並んで歩けるだけでも幸せだっていうのに…どんどん欲張りになっちゃう。
隼人も……隼人もそう思ってくれてるのかな?
薄暗い中、隼人の横顔を見ながら小さな笑みを浮かべた。