キャラメルに恋して
┗交換
しばらく他愛もない話をした後……
「ねぇ雛。アド交換しない?」
隼人が何気なくそう言った。
実は………待ってました、その言葉!
隼人って話やすいし……いい人そうだし……、友達になりたいんだよね。
「もちろんいいよっ」
「おっありがとな」
そう言って隼人はすばやく後ろポケットから、黒いケータイを取り出した。
……こうして、私は無事隼人のメアドをgetしたのであった。
「んじゃ、またメールする」
「うん、わかった。じゃーね」
こうして私たちは、この前と同じように正反対に歩いていった。
歩いている途中に、隼人が気になって思わず隼人の方に振り返った。
そこには、まだこっちを見ている隼人の姿。
てっきり、もう帰ったんだと思っていた私は、びっくりして心臓の鼓動が速くなったのを感じた。
隼人は、振り返った私を見てニッコリ笑った後、小さく手を挙げた。
キャラメル色の髪の毛が、海の向こうに沈んでいく太陽に反射してキラキラと輝く。
キレイ………、そう思うほかなかった。
すっかり心拍数が速くなってしまった心臓は、きゅんとなる。