キャラメルに恋して
それからは、妙にしんみりした雰囲気になっちゃって、話そうにも一言二言で会話が終わってしまう状態に。
冬の寒い風に吹かれて体がぶるっ…っと縮んだ。
春を心待ちにしながら、口から出て行く白い吐息を黙って見つめていると、ふいに隣からの視線を感じた。
なんだろう……
そう思って見上げた隼人の視線は、私に注がれてはいなかった。
私の向こう側を、寂しそうな瞳で見つめる隼人の視線の先には―――…
神様は、どうしてこうも意地悪なのかな?
「奈美……」
そう寂しそうに呟いた隼人の声が
頭から離れない―――――…