キャラメルに恋して





もしかしたら、奈美さんはまだ隼人が好きなのかもしれない。


もしかしたら、隼人も奈美さんの事を好きだった頃の気持ちを思い出しちゃったのかもしれない。



――――…二人は、よりを戻しちゃったのかもしれない。




「隼人の……ばか」


考えちゃうだけで目に涙が溜まって来て、喉の奥が熱くなってしまう。


あれから、連絡が無い。

私から隼人にメールでも電話でもしたわけじゃないんだけど。


勇気がなくて連絡を待っている私は、小心者。


逃げ出したのは、私なのに。

隼人は、私のことが好きだって言ってくれたのに。


やっぱり完全に信じる事が出来ないなんて。



机の中が空っぽのままの隣の机に嫌でも目がいってしまう。


隼人は今日、学校を休んだ。


理由は分からないけど、私と会いたくなかったから…だったりするのかもしれない。





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