キャラメルに恋して


それからあっという間に時間は過ぎて行っちゃって、西日が差す放課後になった。


「雛っ!!響くんが奢ってくれるって」

「は?雛ちゃんはともかく、お前はヤダ」

「ひどっ……。響くんなんか置いて行こ?」

「ははは……」



麻耶と響くんは、いつもみたいに口げんかをしてる。

だけど、それがちょっとだけわざとらしくて、素直に笑う事ができない。


麻耶と響くんはお似合いなんだから、付き合っちゃえばいいのに……。






「ひなっ、ボーっとしてるよ?」

「あ、ごめんね。何にするー??」

「俺はコーヒーでいいな」

「響くんブラック飲めるの~??大人ー」

「お前とは違うんだって」


広げたメニューには、おいしそうな飲み物やケーキの名前がいっぱい書かれてあった。


コーヒー

カプチーノ

紅茶

モカ

スペシャル・キャラメル



"キャラメル"その単語を見るだけで、自動的に隼人の事を思い出す。


「雛ちゃんは、"スペシャル・キャラメル"にすんの??」

「いいじゃん!!雛、最近キャラメルにハマってたしさ」





< 346 / 358 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop