キャラメルに恋して
□13box
「え~、急な話だが如月隼人は親の都合で、他校に転校した」
そんな話を聞いたのは、隼人が奈美さんと再会して2週間
学校をやすんでから15日たった朝のことだった。
ほんとうに急な話で、私の横の隼人の机は以前と変わらずそこにある。
なのに、引き出しに入っていた教科書はいつの間にか空っぽになっていて、【転校】が事実だという事を思い知らされた。
ガヤガヤと騒ぎ出したクラスの中、私は動けずにただボーっと隼人の机を見つめる。
どうして……??
あの日から、隼人からの連絡は途絶えてしまった。
学校を休んでいる理由も、ただの風邪だと思ってた。
なのに……
「雛…、隼人くんから聞いてたの??」
「ううん。なんにも……」
「連絡してみなよ…。隼人くん、待ってるのかも」
「そんなわけないよ。自然消滅なの」
自然消滅……
そんな言葉で終われたなら、どんなに楽なんだろう。
隼人……、会いたいよ。