キャラメルに恋して
「あ~あ、隼人くん…どこ行っちゃったんだろ??」
クラスメイトの女子がそう呟いたが聞こえて、小さく胸が痛んだ。
この前まで、私は隼人の彼女で、あの女子よりも隼人のことを
いっぱい知ってたのに、今の私は…あの子と一緒。
何一つ、隼人の事をわかってない。
隼人の机も、担任が何処かへ持っていってしまって、このクラスに
「隼人がいた」
そんな証は、一つも残っていない。
だけど、みんなの胸の中には確かに隼人がいて
私の胸の中にも、薄れることのない隼人との思い出が詰まってる。
隼人の…嬉しそうな顔、悲しそうな顔、照れた顔、誇らしげな顔、泣きそうな顔、辛そうな顔、愛しい顔……隼人の笑顔。
もっと、いろんな表情を見たかった。
なんて、また欲張りな事を考えちゃった。
前に進まなくちゃダメなんだよね。