キャラメルに恋して




「あ~あ、隼人くん…どこ行っちゃったんだろ??」


クラスメイトの女子がそう呟いたが聞こえて、小さく胸が痛んだ。

この前まで、私は隼人の彼女で、あの女子よりも隼人のことを

いっぱい知ってたのに、今の私は…あの子と一緒。



何一つ、隼人の事をわかってない。



隼人の机も、担任が何処かへ持っていってしまって、このクラスに



「隼人がいた」



そんな証は、一つも残っていない。


だけど、みんなの胸の中には確かに隼人がいて



私の胸の中にも、薄れることのない隼人との思い出が詰まってる。




隼人の…嬉しそうな顔、悲しそうな顔、照れた顔、誇らしげな顔、泣きそうな顔、辛そうな顔、愛しい顔……隼人の笑顔。





もっと、いろんな表情を見たかった。

なんて、また欲張りな事を考えちゃった。




前に進まなくちゃダメなんだよね。




< 352 / 358 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop