キャラメルに恋して
その時、いきなり先輩と過ごした日々の映像がフラッシュバックした。
もう見たくなかったものが、私の頭の中を埋め尽くす。
何故だかだんだん息が上がってきて苦しかった……。
その場にうずくまって、頭を抱える。
消えて……消えて……。
そう思っていると、頭の中の映像はまるで何もなかったかのように、消えていった。
消えた後の私の頭の中は、誰のものかわからない冷たい表情が浮かんでいた。
そして、私と修史さんが前に出会った気がしたのは気のせいだって事がわかった。
きっと出会ったことがあった気がしたのは、修史さんのあの鋭い氷のような冷たい目が先輩と同じだったせいだったんだ。
修史さん、あなたは人を好きになった事がないんだね…………。