キャラメルに恋して
あぁ、私……どーすりゃいいのぉー?
そんな事を考えていた時、教室のドアの方から、クラスの女の子が私を呼ぶ声が聞こえてきた。
「浅木さぁーん。佐東先生が、職員室に来てってさぁー」
その声に反応して、小さく顔を上げる。
……佐東先生?数学の先生じゃん。…たしか怖いんだよね。
目を付けられた奴は、一生逃げられないって噂。
“狙った獲物は逃がさないハンター”って異名が付く程……。
いったい誰がそんな名前付けたんだって話なんだけど。
そんな佐東に呼ばれるって事は、もしかして私……目つけられたっ!?
そんな事を考え、オロオロしている私をよそに
「行ってらっしゃーい」
なんてのんきに言ってる麻耶。まったく、お気楽なもんだね。
麻耶を若干睨みながら、思い体を起こし、さらに重い足取りで職員室へと向かった。
――――ニヤリ……
その時、麻耶が怪しく微笑んだのも知らずに………。