キャラメルに恋して
┣うふふ
全力疾走して、やっと駅に着いた。
今日の気温は、寒いはずなのに体はこれでもかって程熱くなっていた。
口から頻繁に出てくる息は、真っ白。
髪はボサボサだし、汗ヤバイし………最悪だ。
「………ふっ」
ふと声がしたと思い前を見ると、少し緩んだ表情の隼人の顔があった。
なんか、私の顔見ながら笑ってるし……は、恥ずかしい。
こんな顔を見られるなんて。
「はっ、隼人!!笑わないでよ〜」
隼人は、「ごめんごめん 」なんて言ってるけど、謝る気はさらさらないみたい。
肩は小刻に震えていて…、笑ってる…………。
くそ〜。隼人めっ。絶対許してやんないんだから!
「雛?ほら、行くぞ」
隼人は、私の手をとって歩き出した。
隼人は別に意識しないで手を繋いだけど、私は突然の出来事にビックリしてしまった。
手なんて、先輩とも繋いだ事なかったから………。
そんな事を思ってると、何だか不安になってきた。
…………手に汗かかないかなって。
私、汗っかきだから不安。
しかも、心臓が爆発するかと思うぐらいドキドキしてて、隼人に聞こえてしまわないか心配だった。