キャラメルに恋して
走り続ける事、数分。
もう体力の限界を感じてきた。隼人もきつい様で、後ろからは荒い息遣いがする。
時折、隼人の様子を伺いながらも出口に向かって急ぐ…。
そんな中、目の前にうっすらと希望の光が見えてきた。
「隼人っ、もうちょっとだよ」
いつもより少し小さくなった隼人を励ましながら、出口までの道のりを急いだ。
「おかえりなさいませ」
暗闇に馴れていた目には眩し過ぎる光と共に現れたのは、最初の受付の所にいた野口さん。
なんだか、野口さんが天使に見えます。
しかも、おかえりなさいませってメイドカフェみたいじゃん。
なんてツッコミたかったけど、そんな余裕なく……
「はぁ はぁ はぁ はぁ…………」
苦しくて苦しくて喋れない程だった。