ゆーとゆーま
TO:ゆー  食堂? 誰かと一緒なの?
TO:ゆー  ゆー?
TO:ゆーま 遅れてごめんね。美依とだったよ。でもゆーまも遅かったじゃん、メール。十分くらい? そんなに遅れるとか珍しいね。


 さっきの遅さをまだ引き摺っているのか、ゆーまは今回も返信が遅かった。


TO:ゆー  そーいう気分の時もあるんだって。どう、僕のメールのない昼休みは寂しかった?
TO:ゆーま 寂しくは……でも、美依にケータイ取り上げられてた。だから返信遅くなったの。さいあく。
TO:ゆー  食事中にケータイばっか見てるからそうなるんだよ。

TO:ゆー  歩きながらケータイ見てない? 前見て。誰かにぶつかって落としてケータイ壊すとか止めてよ。


 今まさに歩きながら操作をしていた由布は、はっと前を見て足を階段の踊り場に着地させた。かくして、その先がない階段をなお上がろうとして踏み外す行為は避けられたのだった。


----

法則:ケータイが由布の所有にあるとき、回線は僕と由布を繋ぐ。異なる場合、メールは遅延する。

【了】
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