月の花弁





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魔力を使って飛ぶと





気持ちいい。








風がスワ―っと





通り抜けていくこの感じが。







腕の中のユリちゃんが突然動いた。









「んん……





……レオ、ン?





あ、




さっきはありがとう。






呪符を張り付けてくれたの、




レオンだったでしょ?





傷が……






治ってる。







……ねぇ、





今どこに向かっているの?」







ユリちゃんが





眠たいのか、






いつもよりゆーっくり






話す。






…平然としてるけど、





抱かれて、飛んでいますよ?





そこ、




聞かなくていいんですか?





…なんてね、





魔力が欠乏しているユリちゃんに





飛ぼう?





なんて言えないし。




「一番近い



露草の城の近くまで。




送っていこうと思って。」





そう言ったら、





さっきの




間延びした声で




ありがとう。




って言うと思ったけど、







今は黄緑に見える、





その綺麗な目を見開いて、






「露草の城まで…!?





何言ってるの!?







私を離して!!


下ろして!!






止まって!!」






と、俺の胸板をポコポコ殴り出した。






なんでそんなに驚く?


なんでそんなに焦っている?


怒っている?








「カナトと喧嘩でもした?






…それとも、



両親に、勝手に



結婚相手を決められた?」






俺は






からかうような声色で




予想したことを言ってみた。




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