月の花弁
「そんなにくだらないことじゃないわ!!
いいから止まって!!」
「どうせ
露草の城を通らないと
群青の城まで帰れないぞ?
ほら、
俺の速さならあと…
5分位でつくから……」
バヒュン
!!
「ユリ―――――――!!
どこからそんな魔力……!!」
びっくりし過ぎて
ユリ、って呼んでしまった。
…魔力縮小リングをはめているはずの
ユリちゃんが
俺とユリちゃんの間に
小さい風の渦を作ったからだ。
風の魔法は王族くらいの魔力がないと作れない、
一般的には
アズサ様の半分くらいの魔力のものしか
使えない技だ。
反射的によけたものの、
ユリちゃんはそのまま
森の入口付近に落ちていく。