月の花弁


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Sideカナト









城から抜け出してどれくらいたっただろうか。



兄上…



こんな弟でごめんなさい。



でも…



大切な人を放っておけないのは、



罪ですか?



王族は



恋に左右されてはいけませんか?



……守るって、



いつか約束したよな…







*☼*―――――*☼*



まだユリと俺と兄上が幼くて


確かユリと俺は五歳だった頃。


群青の城の庭園で、ミンスに


魔法で剣を出して


それで戦う練習を


習っていた。


これは練習すれば誰でもできるけど


強さや剣に個性が出るから


個人差が出る魔法だった。




「尖ったものをイメージしてから


手に魔力を集中させ、


それから、


我に仕える剣(つるぎ)いでよ。


と唱えて下さい。


上達すればするほど…」



「剣!!


わぁ!?


ミンス…私…


そんな長く唱えなくても


大きい剣出来ちゃった♪」







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