月の花弁
「兄上、兄上!!
やってみてください!!」
「俺が本気を出せば
剣くらい簡単に…」
父上に呼ばれる時など、
きちんとしたところで
「私」と言う兄上が 「俺」と言うと
少しだけ、いつもより幼く感じて…
「剣!!」
…シーン
「ナオト様!!
きちんと呪文を唱えてください!!」
「けどユリは…」
「危ないんです!」
「最初のほうだけな。」
そんな兄上とミンスの言い合いを
ユリの横で聴いていたら
ふと、
ユリと目が合って、
「ナオトとミンス面白いね?
カナト?
もうさっきのしまったから
一緒に練習しよう?」
まだまだあまり背丈が変わらないユリと
練習を始めた。