月の花弁
向こうでミンスにしごかれてる。
兄上が…
兄上が何回も呪文を唱えるのが聞こえるのに
成功はまだ一回もしていないみたいだ。
「ユリ…
兄上に出来ないのに
僕…
出来ると思う?」
ユリは少しキョトン、とした後
眩しい笑顔で
「カナトもナオトみたいに
「俺」って言ってみて?」
「え?
どうしたの、いきなり。」
「い、い、か、ら!」
「…お、俺にも出来ると思う?」
「ナオトと一緒のところが増えたでしょ?
次は、ナオトより早く
呪文をマスターしよう?
カナトなら、出来るよ!!
絶対の絶対!!」