月の花弁
バヒュンッ
……カチャ…
「え?」
まだ呪文を唱え終わっていないぼ…
俺の手から、
イメージした通りの、
細工が全くされてない
こぶりな刀が握られていた。
「カナト~~!!
ギューっ
スゴーい!!
ナオトより先に、
しかも一回でできたね!?」
や、ヤバイ。
抱きしめられると、恥ずかしい…
「ミンスぅ~~~!!
カナトがね!?
カナトがね!?
一回で、しかも
呪文を唱え終わっていないのに
出てきたんだよ~!!」
「ユリ姫様!
…じゃあ、ナオト様ができたら、
3人で剣の勝負っていうのはどうですか?
鞘に収めた状態で、ですが。」
「いいの!?」
「いいのか!?」
「やりたい!」
「では、ナオト様は頑張りましょうね?」
「…へーい。」